不動産価格の動向、2015年に向けて

消費税10%への増税を1年半見送りで始まった先週の衆議院選挙で自民党が圧勝しました。民主党政権時代と比較した安定感の高さや、株価の上昇、雇用の改善など、アベノミクスによる2年間の実績が評価されたとご本人は名調子で言われておりますが信じて良いのでしょうか? 現実的には、今年の4月増税後の反動減は引き続いています。不動産市場におても中古マンションの価格こそ上昇してきていますが成約件数は首都圏でも8ヶ月連続で減少しています。土地の価格も過去3年間の価格データと比べても横ばいで弱含みのままです。以下、最新のデータで不動産市場での売却動向の詳細を検証していきたいと思います。

1)中古マンションの売却/成約価格の推移(首都圏)

まず、首都圏の中古マンションの売却価格(平米単価)の推移状況ですが、西高東低という形ですが、価格面では上昇があるものの、成約件数は前年度比で大幅に落ちており、市場そのものに勢いがある感じではないようです。

■平成26年11月度の結果サマリー

都道府県 平米単価(万円) 前月との比較 平均価格と比較 平均価格(万円)※
東京 57.68 - 1.5% + 13.6% 50.68
神奈川 38.70 + 2.8% + 9.1% 35.48
千葉 24.57 - 0.6% + 3.2% 23.81
埼玉 27.49 + 7.6% + 11.9% 24.56

※ 平均価格はh23/1~h25/12の3年間の平均平米価格 ◉過去3年間の平米当たりの成約価格(実際の売れた価格)の推移グラフ マンション売却と価格動向 東京 千葉 埼玉 神奈川

2)中古マンションの売却/成約価格の推移(関西圏)

関西圏の中古マンションの売却価格(平米単価)の推移状況ですが、京阪神地区を中心に上昇傾向はあるものの、首都圏に比べて力強さはないですね。

■平成26年11月度の結果サマリー

都道府県 平米単価(万円) 前月との比較 平均価格と比較 平均価格(万円)※
大阪 26.90 + 5.9% + 11.3% 24.17
兵庫 25.50 + 0.0% + 9.0% 23.39
京都 27.70 + 9.1% - 0.2% 27.75

※ 平均価格はh23/1~h25/12の3年間の平均平米価格 ◉過去3年間の平米当たりの成約価格(実際の売れた価格)の推移グラフ

マンション売却価格、大阪、京都、兵庫

3)土地の売却/成約価格の推移(首都圏)

首都圏の土地の売却価格の状況ですが、引き続き調整的な動きでほぼ横ばいまたは弱含みという感じです。

■平成26年11月度の結果サマリー

都道府県 平米単価(万円) 前月との比較 平均価格と比較 平均価格(万円)※
東京 30.83 + 6.4% - 2.4% 31.58
神奈川 19.22 - 8.6% + 3.2% 18.62
千葉 9.54 - 16.7% - 5.7% 10.12
埼玉 13.03 + 3.8% - 3.2% 13.46

※ 平均価格はh23/1~h25/12の3年間の平均平米価格 ◉過去3年間の平米当たりの成約価格(実際の売れた価格)の推移グラフ

土地価格、東京、千葉、埼玉、神奈川

4)土地の売却/成約価格の推移(関西圏)

関西圏の土地の売却価格の状況ですが、価格の上下動がはげしくなっており(グラフが見にくくて、すみません)、首都圏同様に横ばいまたは若干の下落傾向もあるので要注意ですね。

■平成26年11月度の結果サマリー

都道府県 平米単価(万円) 前月との比較 平均価格と比較 平均価格(万円)※
大阪 14.3 - 2.7% - 0.9% 14.43
兵庫 13.1 + 11.0% - 2.1% 13.38
京都 16.7 + 3.7% + 4.7% 15.95

※ 平均価格はh23/1~h25/12の3年間の平均平米価格 ◉過去3年間の平米当たりの成約価格(実際の売れた価格)の推移グラフ

土地価格 大阪、京都、兵庫
データ出典:東日本不動産流通機構近畿圏不動産流通機構

5)2014年の総括

2014年の不動産売却の成約価格の動向を総括すると、中古マンションは都心部を中心に上昇傾向となったが、土地の価格は横ばいから若干の下落傾向(特に地方都市)も見受けられます。

▪️実態経済の低迷、閉塞感は続いている

アベノミクスで株高、円安などで恩恵を受けている一部の個人が動いている感じで、消費者の大半は動いていない状況です。株や為替など金融資産を持って運用している人の数は国内世帯全体の15%程度で、そういう意味では国民の大半はアベノミクスの恩恵をうけていません。一般生活者の可処分所得が増加しない限り、不動産の取引(売買)も活性化しません。そのような中で増税により商品の金額が上がり、円安で輸入原材料も高騰してきており家計の圧迫は増加してきているというのが2014年後半の実態のように思います。

不動産市況的にも反動減は顕著

4月の増税以降の不動産売買の成約件数を精査してみました。首都圏、関西圏ともに増税後は、成約件数は減少しており市場も萎縮したまま回復していない状況と言えます。

<首都圏中古マンション成約件数の推移>

首都圏の中古マンション、前述のグラフでもわかるように実際に取引された平米単価は上昇していますが、件数的には下記の表に示すように、4月の増税以降、毎月前年度同月比で減少しており、8ヶ月間の合計値でも10%以上減少しています。

合計値 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
今年 21308 2785 2638 2812 2532 2118 2938 2655 2830
去年 23869 3119 3076 3149 2965 2250 3123 3066 3121
-2561 -334 -438 -337 -433 -132 -185 -411 -291

 

<首都圏土地の成約件数の推移>

首都圏の土地の売買について、成約単価(平米単価)こそ横ばいですが、件数的には下記の表に示すように中古マンショ同様に前年比で約10%減少しており閉塞感があります。

合計値 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
今年 3318 408 387 458 446 389 441 394 395
去年 3689 492 488 531 482 362 548 396 390
-371 -84 -101 -73 -36 27 -107 -2 5

 

<関西圏中古マンションの成約件数の推移>

首都圏ほど件数減少幅は少ないですが、前年比で3%程度減少しています。

合計値 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
今年 7671 1155 897 957 955 782 893 1076 956
去年 7888 1194 987 1069 902 797 815 1075 1049
-217 -39 -90 -112 53 -15 78 1 -93

 

<関西圏土地関の成約件数の推移>

件数的には前年度に比べて増加しているものの価格的には下落傾向あり。件数的にはほぼ変わらずな状況。

合計値 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
今年 1436 191 167 210 157 147 191 178 195
去年 1391 190 162 176 199 134 194 177 159
45 1 5 34 -42 13 -3 1 36

総括すると不動産が思うように売れなかった1年

2014年後半は、数値的にみてもGDPマイナス、消費、住宅、設備投資も伸びず景気低迷は鮮明になってきており、不動産取引も低調なまま終わりそうです。 アベノミクスは期待感が先行し、売主は強気で所有の不動産を高値で売り出したが、成約できないという状況が続いた、そんな1年だったように思えます。日銀のバズーカ砲(異次元の金融緩和)もあり超低金利な状況で、不動産購入者(買主)には追い風なタイミングであったにもかかわらず、この結果で増税の反動がとても大きいものだったと言わざるを得ない感じですね。この状況は2015年前半も続くと思われます。

 【賢い売却のワンポイントアドバイス】

今年も残す所10日ほどとなりました。来年こそは子供も大きくなったので住替えをしようか、空き家のままの住宅をそろそろ整理しようか、今住んでいる自宅は広すぎるので資産整理をした上で老後の設計を始めようかなど、様々な動機で不動産の買い替え、売却などを考えるのも年末年始だと思います。

不動産の売却が、住替えも資産整理も成功するためには、タイミングよく少しでも高く、安心して売却できることが必須条件となってきます。

桜の咲く頃から売却の成約がピークとなります。1年で最も不動産が高く売れる時期と言っても過言ではありません。そのためには、2月には内覧や具体的な契約の話ができるように準備しておく必要があります。さらに逆算すると1月中にはどこかの不動産会社に、売却の仲介の依頼をしておかなければ市場には出て行きません。

ということで、例年のことですが、当サイトでも1月に査定依頼が殺到します。査定依頼を出したから、すぐに査定金額がわかるか?というと、答えはノーです。

所有者の本人確認した上で、ご本人様の承諾のもとその物件の査定をします。その上で近隣の売買結果などの最新データなど用いて概算価格をまず提示します。その結果をもとに、さらに物件に訪問して物件の状態や個別の条件などを加味して最終的な査定額を算出します。 このやりとりだけでも2週間くらいはかかります。

不動産会社は来週から年末休暇に入り、1月5日くらいから営業開始になりますが、まず年末から査定依頼のあるものから順に対応していきます。そういう意味でもこの年末からお正月にかけてもネット経由であれば、不動産査定の依頼を受け付けています。

売り出すかどうかの判断材料のための査定のご依頼であっても全く問題ありません。査定額が想定以上に安い場合に、住替えや資産整理を見合わせる人もかなりの数いますので。ただ、売却の予定や意思の全くなく興味本位で物件の価格を知りたいという利用はお避けください。ボランティアなサービスではないので。その点の理解は宜しくお願いします。

不動産売却のための販売活動など仲介手数料は、売却完了後に支払うものなのでそれまでは仲介の契約(専任媒介、一般媒介)をしたからと言っても、費用はかかりません。 不動産会社に支払う費用(手数料)は取引が成立し売却代金の決済時点です。 (不動産の売買取引が成立しなければ報酬(仲介手数料)は発生しないということが法的に規制されています)

不動産の査定から住替えのアドバイス、ローン残債処理の方法や税務や権利関係の相談まで無料で相談に応じてもらえます。

不動産会社と専任の媒介契約をしても最大3ヶ月間で売却の取引が成立できなければ、売主であるお客様が申し出ない限り、自動で契約更新することもできないルール(宅建法で規定)となっています。このあたりも踏まえた上で、不動産会社と賢く、上手に不動産会社と付き合うのが売却成功の鍵となります。


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